09/05/2026
青森市営バスの運行が始まった大正末期の道路事情を、バスの運転手が「人道も車道も区別のない、左側運行の励行されてゐない道路」と評しています(『東奥日報』大正15年5月1日付4月30日夕刊、以下同紙からの引用は日付と朝夕刊の区別のみで表示)。
さらに、道端でキャッチボールのようなことをやったり、夜間の無灯火での自転車走行や馬車類の頻繁の往来もあり、道路は混乱・混雑していることから、県の保安課は各警察署長に「取締」を厳しくするよう通牒を発しています(大正12年8月7日付朝)。
ちなみに、当時の青森市には児童用の2台を含め3,510台の自転車がありました(同年7月6日付7日夕)。人口が60,000人ほどですから、人口に対する保有率は6%弱です。
写真はこの少し前、大正8年(1919)頃に撮影された私立青森幼稚園です(『創立満十年紀念帳』)。ここで注目するのは入口の右側にある人力車です。明治42年(1909)
創立の同園では大正2年から子どもの送迎をしていました。
この送迎車は市内ではちょっとした名物になっていました。それというのも「雨の日も雪の日も春夏秋冬青森の街頭にあの車を見ない日はない」からで、冬は橇を使っていたといいます(大正15年3月27日付朝刊)。
上に記した交通事情を考えると、小さな子どもたちを乗せた人力車には少しばかり心配してしまいますが…子どもたちにも大評判で車を引く男性を『オド』と呼んで親しんでいたようです(同上)。
(工藤大輔)
04/05/2026
写真の自動車は、「青森市営バスの祖」と称される篠原善次郎が、大正15年(1926)に青森市に寄附したものであるといわれています。よく知られた写真なので、ご存じの方も多いでしょう(『目で見る青森の歴史』より)。
今回この写真で注目したいのは、車体の左右に描かれた「白線」です。
新聞の報じるところでは、大正15年(昭和元)末の時点で青森県内には400台を超える自動車があったといいます(正確な数字は軍事機密)。その内訳は、乗合・貸切・貨物等の営業用のものがほとんどで、自家用車は少なかったといいます。市営バスは「乗合」に相当します。
これらのうち、乗合と貸切が競合関係にあったようです。そして現在の認識ではイメージしにくいのですが、本来一定の路線を走るべき乗合自動車が、路線外を走ることがしばしばあるというのです。そうなると、貸切の側は当然迷惑をこうむるでしょうし、新聞もこれでは「乗合といふ意味は全然なく」なると報じています。
こうした事態をなんとかするべく県当局は、乗合は青森の市営バスのように車体に白線を引くことで、貸切との区別することにしました。その上で、乗合は一定の路線のみを往来し、利用者はこの路線外では貸切に乗車するよう規定が変更になり、昭和2年(1927)7月からの実施になると新聞は報じています。
市営バスの白線は、「乗合自動車」のシンボルとなったのです。
(工藤大輔)
02/05/2026
*アスパム開館40周年*
4月24日に青森県観光物産館アスパムが開館40周年を迎えました。4月25日に開館40周年オープニングセレモニーが行われ、来場者に記念品が贈られました。
現在、2階の市町村ホールでは開館当時の新聞や、昭和63年(1988)に開催された青函トンネル開通記念博覧会(青函博)に関する資料などを紹介する「アスパム回顧展」が行われています。展示会場の近くには青函博のマスコットキャラクター・シャコちゃんと記念撮影ができるスポットもありました。この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、歴史資料室の館内展示「あおもりの鉄道―北海道新幹線開業10周年」では昭和61年のアスパム開館、駅ビル「ラビナ」オープン、新青森駅・小柳駅・矢田前駅の開業を取り上げています。青森駅前・ベイエリアへお越しの際は歴史資料室の展示もぜひご覧ください。
【展示概要】
企画展示「あおもりの鉄道―北海道新幹線開業10周年」
展示期間:2026年4月9日(木曜日)から6月30日(火曜日)
休館日:5月13日(水曜日)、6月10日(水曜日)
展示会場:青森市民図書館7階エントランス、8階展示1
開館時間:9時00分~20時00分
【関連リンク】
アスパム40周年企画
https://www.aomori-kanko.or.jp/aspam/40th/
(村上亜弥)
30/04/2026
歴史資料室では青森市の歴史について理解を深めていただくため、毎月第3水曜日に歴史講座「あおもり歴史トリビア」を読む会を開講しています。
5月のテーマは「冬の選挙-昭和3年第1回普通総選挙」です。
5月1日(金曜日)午前9時から電話受付を開始します。定員になり次第、受付を終了しますので、参加を希望されるかたはお早めにお申込みください。
【講座案内】
第143回「あおもり歴史トリビア」を読む会
テーマ:冬の選挙-昭和3年第1回普通総選挙
日時:5月20日(水曜日)
(1)14時00分~15時00分
(2)18時30分~19時30分(同内容)
会場:市民図書館 8階会議室2
講師:工藤 大輔(歴史資料室長)
定員:各回20名(申込順)
【申込方法】
電話でお申し込みください。
受付時間:9時00分~17時00分(祝日を除く月~金曜日)
電話番号:017-732-5271
(村上亜弥)
24/04/2026
大正15年(1926)4月24日、青森・函館間の電話が開通しました。当時、通信に関する行政を担当していた逓信省では東京と札幌を結ぶ電話の開設を目指して工事を進めており、5月1日からは青森・札幌間と青森・小樽間の通話も可能になりました。そして、9月6日には東京・札幌間の電話が開通しています。
さて、青森・函館間の電話開通にあたり、津軽海峡には海底ケーブルが敷設されました。その作業を担ったのは逓信省の海底ケーブル敷設船・南洋丸です。当初は大正15年4月8日までに作業を完了する予定でしたが、海上の風が激しく、作業に着手することができませんでした。その後も風が弱まる見込みはなく、4月13日に作業を敢行しました。作業中、風は次第に激しくなり、波が甲板を洗い、技術者たちはずぶ濡れになったといいます。それでも作業はこの日の午後4時までに完了し、通話試験を経て、4月24日の電話開通が発表されました。
なお、開通初日の青森・函館間の通話数は290件で、うち青森から函館を呼び出したものが127件、函館から青森を呼び出したものが133件、弘前方面との中継が30件でした。使用者は通信社や魚問屋が大部分を占めたそうです。
※北海道電気通信局編『北海道の電信電話史』(電気通信共済会北海道支部 1964年)、『東奥日報』大正15年4月17日付16日夕刊、4月25日付朝刊、4月27日付朝刊などを参考にしています。
【関連メールマガジン】
「あおもり歴史トリビア」第130号(2014年10月24日配信)
https://www.library.city.aomori.aomori.jp/aomoricity_history/trivia/101-/130.pdf
(村上亜弥)
16/04/2026
歴史資料室では4月15日(水曜日)に歴史講座「あおもり歴史トリビアを読む会」を開講しました。今回は「新聞に見る『ウスカム事件』―昭和初期・出稼労働の一齣」というテーマで約1時間の講義を行いました。
※歴史講座「あおもり歴史トリビアを読む会」への参加には、事前申込が必要です。詳しくは『広報あおもり』をご覧ください。
(村上亜弥)
10/04/2026
4月9日(木曜日)から歴史資料室の新しい館内展示「あおもりの鉄道―北海道新幹線開業10周年」が始まりました。この展示は東北新幹線が令和7年(2025)12月4日に全線開業15周年を、北海道新幹線が令和8年3月26日に開業10周年を迎えたことに合わせて企画したものです。
7階の展示は令和8年3月21日に新青森駅・奥津軽いまべつ駅・新函館北斗駅で開催された北海道新幹線開業10周年記念イベントのようすを中心に構成しました。イベント会場で配布された記念品などを展示しています。
8階のパネル展示では東北新幹線・北海道新幹線開業までの歩みを振り返るとともに、青森駅周辺施設の整備についても触れています。また、青函をテーマに令和7年度の歴史資料室の活動を紹介しています。
あわせて、8階では関連図書の展示も行っています。市民図書館へお越しの際はぜひご覧ください。
【展示概要】
企画展示「あおもりの鉄道―北海道新幹線開業10周年」
展示期間:2026年4月9日(木曜日)から6月30日(火曜日)
休館日:5月13日(水曜日)、6月10日(水曜日)
展示会場:青森市民図書館7階エントランス、8階展示1
開館時間:9時00分~20時00分
(村上亜弥)
31/03/2026
歴史資料室では青森市の歴史について理解を深めていただくため、毎月第3水曜日に歴史講座「あおもり歴史トリビア」を読む会を開講しています。
4月のテーマは「新聞に見る『ウスカム事件』―昭和初期・出稼労働の一齣」です。
4月1日(水曜日)午前9時から電話受付を開始します。定員になり次第、受付を終了しますので、参加を希望されるかたはお早めにお申込みください。
【講座案内】
第142回「あおもり歴史トリビア」を読む会
テーマ:新聞に見る「ウスカム事件」―昭和初期・出稼労働の一齣
日時:4月15日(水曜日)
(1)14時00分~15時00分
(2)18時30分~19時30分(同内容)
会場:市民図書館 8階会議室2
講師:工藤 大輔(歴史資料室長)
定員:各回20名(申込順)
【申込方法】
電話でお申し込みください。
受付時間:9時00分~17時00分(月~金曜日)
電話番号:017-732-5271
(村上亜弥)
10/03/2026
大正11年(1922)3月10日から7月31日まで、東京・上野公園を会場として「平和記念東京博覧会」が開催されました。歴史資料室では平和記念東京博覧会協賛会が発行した絵はがき1枚を所蔵しています。「平和塔」は博覧会を象徴する建築物の一つで、第一会場から第二会場に通じる道路の中央に建てられました。また、絵はがきの表面(宛名面)には記念スタンプが押印されています。
この博覧会は第一次世界大戦の終結を契機とし、世界平和の回復を記念するとともに、産業文化の状況を展示し、将来の発展に資することを目的として開催されました。全国各地から多くの特産品、工業製品などが出品されています。
『平和記念東京博覧会東北北海道受賞人名録』(東北社 1922年)によると、現在の青森市域から出品されたものでは青森市浪打・小館木材株式会社の木材(ヒバ角)、油川町・津幡文長の海参(いりこ)、青森市堤町・近藤善吉の貝柱が金牌を授与されています。
【関連情報】
東京都公文書館公式Facebookページ
https://www.facebook.com/tokyo.archives
(2022年3月10日の投稿で「平和記念東京博覧会」を取り上げています)
東京都立図書館ホームページ「都市・東京の記憶」第1章 絵葉書の中の東京
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/portals/0/tokyo/chapter1/list_title.html
(「平和記念東京博覧会」の絵はがきが掲載されています)
(村上亜弥)
06/03/2026
*青森市営バス発足100周年*
大正15年(1926)3月6日、青森市会が乗合自動車条例案を可決し、青森市の市営乗合自動車事業(青森市営バス)が発足しました。市営バス発足には青森市の事業家・篠原善次郎(1855-1930)が深く関わっています。篠原は青森市に乗合自動車が必要であると考え、大正13年に乗合自動車事業を始めました。一方、青森市は市営電車の運行を計画していましたが、その実現は難しく、新たに乗合自動車事業の創業を計画しました。
篠原は当初から乗合自動車事業を青森市に委ねたいと考えており、大正15年2月2日に青森市へ車両等の寄附を申し出ました。市参事会は2月27日に寄附の受領や交通部の設置を決めました。そして、4月11日から市営乗合自動車の営業を開始しました。路線は青森駅前-筒井橋間と青森駅-合浦公園間でした。
昭和3年(1928)に発行された市街図には市営乗合自動車の路線が赤線で示されています。
【関連メールマガジン】
「あおもり歴史トリビア」第103号(2014年4月18日配信)PDFファイル
https://www.library.city.aomori.aomori.jp/aomoricity_history/trivia/101-/103.pdf
(村上亜弥)
28/02/2026
歴史資料室では青森市の歴史について理解を深めていただくため、毎月第3水曜日に歴史講座「あおもり歴史トリビア」を読む会を開講しています。
3月のテーマは「弘前藩の『歴史書』と青森―『青森町年寄文書』の発見」です。
3月2日(月曜日)午前9時から電話受付を開始します。定員になり次第、受付を終了しますので、参加を希望されるかたはお早めにお申込みください。
【講座案内】
第141回「あおもり歴史トリビア」を読む会
テーマ:弘前藩の「歴史書」と青森―「青森町年寄文書」の発見
日時:3月18日(水曜日)
(1)14時00分~15時00分
(2)18時30分~19時30分(同内容)
会場:市民図書館 8階会議室2
講師:工藤 大輔(歴史資料室長)
定員:各回20名(申込順)
【申込方法】
電話でお申し込みください。
受付時間:9時00分~17時00分(月~金曜日)
電話番号:017-732-5271
(村上亜弥)